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ボーイミーツガールを研究するブログのような何か

狼と香辛料をボーイミーツガール的に分析する

ボーイミーツガールという観点から見る狼と香辛料

狼と香辛料という作品がある。

どんな作品かはこのページを見に来た人なら知っていると思うので省略する。

知らなければwikiを見るか1巻を買ってみるかしてほしい。

さて、この作品は経済の話でもあるが、ボーイミーツガールものとしても見ることができる。

1~17巻で話は一応の完結を見せているが、これをボーイミーツガールものとして見るときに17巻分を一つにしてボーイミーツガールものとするか、1巻だけをボーイミーツガールとするかは議論が分かれるところだろう。

だが、まず間違いなく言えるのは1巻はボーイミーツガール作品であるということだ。

ロレンスと賢狼ホロの出会い、トレニー銀貨を使った儲け話(話の軸)とそれ以外に設けられたイベントの数々、そして一緒に旅をするようになる信頼関係の構築。

私にとってのボーイミーツガールの定義にはがっちり当てはまっている。

よって、今回は狼と香辛料1巻をボーイミーツガールという観点から見てみようと思う。

 

出会いと秘密の共有

ロレンスと賢狼ホロの出会いは村を訪れたロレンスの荷馬車にホロがいつの間にかもぐりこんでいたというものである。

これは突然やってくるという点で、「落ちもの系」と呼ばれる出会いのパターンではないかと思われる。

ここで特徴的なのはホロが裸、いや狼の耳と尻尾が生えていることだ。

これによってロレンスはホロが普通の人間ではないという認識を抱く。

さらに、ロレンスはホロが狼であるという証拠をこの時目にする。

それが本来の狼の姿を一部見せるという行為である。

この行為によってロレンスとホロの間にホロが狼の化身であるという秘密が共有される。

秘密の共有というのは関係の構築に役立つものである。

他の作品の例を挙げると『とらドラ』ではラブレターを送った、つまり好きな人がいるという秘密の共有が二人の関係構築に使われている。

こうして、ロレンスはホロの言うことをとりあえず信じて、旅に連れていくこととなる。

今までの行商の日々から、狼の化身をヨイツに送り届けるという旅の始まりである。

イベントと関係性の構築

1巻の話の軸はトレニー銀貨を使った儲け話である。

この儲け話をロレンスはゼーレンという男から聞くことで知る。

この際にその話が本当かどうかをホロに尋ねてみる。

ホロが嘘を聞き分けられる耳を持つと言っていたからだ。

ここではまだ試しに聞いてみようというだけで、それほど信頼していないように思える。

しかし、後にロレンスがホロを認めることになる出来事が発生する。

それが毛皮を売るというイベントである。

この時、ホロは言葉巧みに毛皮を売りさばき、ロレンスの予想以上のもうけを手に入れることとなる。

これによってロレンスはホロに一目置くようになる。

物語は進み、ロレンスはミローネ商会に銀貨の話を持ち掛ける。

その後、ロレンスが宿でホロに自分の夢を語る。

この場面でホロがロレンスに「一人は飽いた」と語るシーンでは、ホロがロレンスに弱みを見せる。

ここですでに二人の間には信頼関係が十分に構築されていることがわかる。

このすぐ後に、メディオ商会の手の者が二人を襲う。

逃げる二人であったが、包囲されている状況にホロが自分が囮になると言ってロレンスを逃がそうとする。

結果的にロレンスはミローネ商会まで逃げることに成功するものの、ホロはメディオ商会に捕まってしまう。

それから、ホロ救出作戦が行われるも、二回目の逃走が始まる。

追い込まれた状況下でホロは本来の狼の姿に化けることでロレンスを救う。

しかし、その姿を見て恐れたロレンスに対し、ホロは去っていってしまう。

この時二人の関係性にマイナスの影響が生じたように読者は思う。

だが、物語の終わりにロレンスはホロと再会する。

「北の森まで金の取り立てに来られてはかなわぬからの」と。

ここで両者の関係性は多少のマイナスイベントでは動じないほど強固なものになっていることがわかる。

こうして事件は終わり、二人の旅が続くのであった。

おわりに

こうして狼と香辛料をボーイミーツガール的に解体してみるとボーイミーツガールの定義に沿った物語の構成がなされていることがわかる。

今回は1巻だけを取り扱ったが、私は17巻分で一つのボーイミーツガール作品となっていると思っている。

だが、今回は試しに書いてみたという意味合いの強い記事のため1巻分だけで書いてみた。

もしかしたら今後17巻分で論じる可能性が無きにしも非ずである。