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ボーイミーツガールを研究するブログのような何か

けものフレンズ第1話をボーイミーツガール的に分析する

王道

けものフレンズはアニメ界に衝撃を与えた。

だが、それについては他の方がいくらでも論じているはずなのでここでは語らないことにする。

僕としてはけものフレンズが受けた理由に、今時見ないような王道なストーリーが受けたというのがあると思っている。

王道なストーリー?

そう、王道と言えばボーイミーツガールである。

さて、けものフレンズは果たしてボーイミーツガールなのか?

これに関してはいろいろな意見があると思うが、僕としてはボーイミーツガールであると思う。

かばんちゃんとサーバルの「出会い」、図書館を目指す旅路の中での様々な「イベント」、それに伴う二人の「信頼関係の構築」など、ボーイミーツガール要素が多分に含まれているからだ。

今回はそんなけものフレンズの第1話をもとにボーイミーツガールを論じてみたいと思う。

 

 

第1話はどんな話か

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文章に起こすより見たほうが分かるだろうと思ったのでリンクを貼っておいた。

  

出会い

最初、かばんちゃんはあてもなくさばんなちほーをさまよっている。

そんなかばんちゃんを突如追いかけてくる存在、それがサーバルである。

追いかけられた末に捕まったかばんちゃん。

追いかけられて捕まってしまったと書くと何とも不穏な出会い方だが、サーバルの「狩りごっこ」の相手になっただけなので、絵では結構ほのぼのとしている。

「食べないでください!」「食べないよ!」という、後に定番のやり取りとなる会話をはさんだ後、かばんちゃんは最初はおびえていたが、話をすることで二人は早速打ち解ける。(この時もうすでに信頼関係の構築がある程度なされている。これはけものフレンズという世界の特徴と言えるかもしれない)

この出会いにおいて特徴的なのが、かばんちゃんの登場の仕方である。

かばんちゃんはさばんなちほーに突如として現れた存在であり、『天空の城ラピュタ』を代表とする落ちもの系(ヒロインが「空から落ちてきたように、あるいは実際に空から落ちてきて」突然に現れるという出会い方)の逆パターンである。

けものフレンズというアニメの主人公をかばんちゃん、ヒロインをサーバルと考えると、落ちてきたのが主人公側である点で、これは落ちもの系の亜種ではないかと思われる。

これを僕は「逆落ちもの系」と名付ける。

さて、かばんちゃんはサンドスターから生まれたのではないかとサーバルは推測する。

この後、かばんに目を付けたサーバルによってかばんちゃんは「かばんちゃん」ととりあえずの名前を付けられる。

かばんちゃんが何のフレンズなのかを調べるためにサーバルはとしょかんに行くことを提案する。

こうしてとしょかんをめざす旅が始まるのであった。

 

落ちものという手法に工夫を加えて主人公を落ちものにするという逆落ちもの系をけものフレンズでは用いている。

「親方、空から女の子が!」のように、落ちものは印象的な出会いを作り出すことができることもある。

それがけものフレンズでも作り出せていたかというと……。

だが、かばんちゃんというキャラクターに謎という深みを与えたという点では逆落ちもの系を採用した意味があったと思える。

落ちもの系では落ちてきた側が何かしらの事情を抱えている場合があるが、けものフレンズのかばんちゃんもそうしたパターンに含まれると考えられる。

 

イベントと信頼関係の構築

けものフレンズ第1話におけるイベントは基本的にかばんちゃんとサーバルの二人の関係にプラスに働くものしかない。

いわば仲良くなり続ける物語だ。

記憶がなく、何が何やらといった感じのかばんちゃんと、そんな彼女(?)に親身になるサーバル

出会いイベントの時点でもうすでに二人の関係性はプラスにあるのではないだろうか。

ただ、この時の二人の関係はまだ「迷子な人と道案内をしてくれる親切な人」といった感じでしかない。

 

さばんなちほーを案内するサーバルとそれになんとかついていくかばんちゃん。

サーバルのように順調には進めないことで落ち込むかばんちゃんだが、そんなかばんちゃんをサーバルは優しく気遣う。

「へーきへーき、フレンズによって得意なこと違うから!」

この言葉こそけものフレンズの世界にある優しさを象徴するものではないだろうか。

 

そんな旅の途中でセルリアン(小)が出現する。

難なくそれを退治するサーバルに、かばんちゃんは信頼を寄せる。

かばんちゃん→サーバルへの関係性向上である。

その後の休憩のシーンでは、サーバルがかばんちゃんの強いところに気づく。

ここでサーバル→かばんちゃんの関係性向上の兆しが見える。

Aパートはここまでである。

こうしてみると、お互いの関係性向上イベントが配置されていることがわかる。

 

木登りのシーンは全話を通したシナリオ上は割と重要なのだが、ここでは割愛させてもらう。

水飲み場に到着し、水を飲んで「おいしー!」と声をそろえた後、顔を見合わせて笑う二人。

直後に後ろを振り返って遠くまで来たことを確認する場面と合わせて、これまでの道のりを通じて二人の関係性が強くなっていることと、サーバルについていくことができたかばんちゃんの成長を表している。

カバの圧迫面接も割愛。

ゲートの近くまで来た二人はかばんちゃんによって地図を見つけた後、悲鳴を耳にする。

ゲートまで向かうとそこには大型セルリアンが。

ここで特筆すべき点はかばんちゃんの紙飛行機である。

カバの協力によってセルリアンは倒される。

倒した後かばんちゃんのもとに歩み寄るサーバル

「すっごーい! なにあれ?」とサーバルはかばんちゃんに紙飛行機のことを尋ねる。

自分で作ったと答えるかばんちゃんに驚くサーバル

かばんちゃんのいいところ発見の瞬間である。

この時、二人の関係は出会ったときの関係からフレンズ同士の友情とでもいうべき関係性に変化したと考えられる。

この変化にはサーバルからかばんちゃんへの意識の変化が強い。

最初はいいところがないように見えたかばんちゃんだが、ゲートまでの旅を経て、はぁはぁしない、体力がすぐ回復する、地図を見つける、といったことの極め付けが紙飛行機である。

紙飛行機を作れるという他のフレンズにはないかばんちゃんのいいところを見つけたサーバルは、彼女も立派なフレンズであるということに気づいたのだ。

これによってサーバルはかばんちゃんに対してフレンズとしての信頼関係を抱いたのではないかと思われる。

それまでも確かに両者ともプラスの感情はあったと思うが、かばんちゃんがサーバルに頼る面が強かった。

自立を重んじるジャパリパークの世界で、サーバルは紙飛行機によってかばんちゃんを一人前のフレンズであると認めたのではないだろうか。

 

そして、二人の別れが訪れる。

ボーイミーツガールにおいて別れのシーンはしばしばエンディングに用いられる。

出会いがあれば別れもあるのだ。

最初はサーバルに頼りっきりだったかばんちゃんがサーバルに紙飛行機の作り方を教えての別れ。

物語を通じての二人の成長が描かれているのもボーイミーツガールポイントが高い。

手を振るサーバル

二度振り返ったあとは振りかえることなく先に進んでいくかばんちゃん。

この別れのシーンは人によっては涙を流した人もいるのではないだろうか。

どこまでも王道なボーイミーツガール。

だがそれがいい

 

おわりに

いかがだっただろうか。

本当はこの後サーバルはかばんちゃんについていくことになったり、ボスがしゃべったり、アライさんが可愛かったりして話は続いていくのだが、ボーイミーツガール的に見ると一度目の別れのシーンが区切りが良かったのでそこで終わらせた。

こうしてみると、第1話はボーイミーツガールとして非常によくできた話である。

出会いあり、起承転結あり、山場あり、別れありとお手本のようなストーリー展開だ。

第1話の視聴回数が伸びているのもうなずける。

ループ再生にももってこいだ。

僕は実際第1話を作業用BGMにしながらこの記事を書いた。

全話を通してもボーイミーツガールものとしてよくできているので、ボーイミーツガール好きな方はぜひ視聴することをお勧めする。

今度一挙放送をニコニコでやるみたいなのでそちらを視聴するのもいいだろう。

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